その歌が聞こえる
静かな波が揺れていた
まだ名前のない夜明け
遠くで誰かが歌ってる
胸の奥を震わせながら
見慣れた坂道の先
いつもと同じ空なのに
なぜだろう 君を探して
立ち止まってしまうんだ
風の匂い 光る雲
消えそうな記憶の欠片
気づかないまま僕たちは
同じ景色を見ていた
もしも運命が
最初から決まっていても
この声だけは
君へ届いてほしい
その歌が聞こえる
波の向こうから
まだ知らない想いを乗せて
揺れる灯りに
手を伸ばしてた
君へ届くその日まで
放課後の静かな風
笑い声が遠く響く
変わらないと思っていた
そんな日々の真ん中で
小さな痛みや不安も
隠したまま歩いていた
それでも君の優しさが
少しだけ怖かった
いつかこの世界が
音もなく壊れてしまっても
忘れたくない
君といた時間を
その歌が聞こえる
胸の奥深く
眠っていた願いのように
重なる鼓動
こぼれた光
未来を照らしていく
遠い海鳴りの向こう
誰かが呼んでいる気がした
悲しみの中でも
歌は消えないまま
その歌が聞こえる
涙の向こうで
優しく世界を包むように
君と出会い
君を知れた
それだけでよかったんだ
静かな波が揺れていた
遠く響いていく歌声
まだ終わらない物語が
そっと動き始めていた