夏風に吹かれて





夏風に吹かれて

ビルの隙間 見上げた空
大きな雲が 流れていた
足早な街に 追い越されながら
ふと夏の匂いに気づいた

夏の電車に 揺られながら
窓の景色を 眺めていた
少しずつ増えていく緑に
小さく息を吸い込んだ

風鈴が揺れる 午後の縁側(えんがわ)
木漏れ日が 静かに笑う
何も変わらない
それだけでよかった

見上げた空に セミの声
懐かしくて 頬が緩む
胸の奥が 軽くなる
帰ってきてよかった

提灯揺れる 神社の前
聞き慣れた声 振り向けば
冷えたグラスを 囲みながら
笑うみんなが そこにいた

夜空に咲いた 小さな花火
並んで空を 見上げてた
シャッターの音
笑顔が残る

みんなが笑う この景色
いつもと同じ そこにある
気付けば笑ってた
優しい時間の中で

白い帽子 揺れる風
帰る朝は 少し静かで
遠く聞こえる 風鈴の音
小さく手を振った

胸に残る 夏の風
このぬくもり 忘れない
前を向いて 歩いてく
また会える日まで

窓の向こうへ 流れる夏に
こぼれた涙も 風に溶け
小さな笑みに ありがとう
あの日の風は 勇気をくれた